界面活性剤とは?
- sk-service-inc
- 4月17日
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界面活性剤は洗剤の主成分として用いられ、油汚れ等を落とすためには無くてはならない存在です。今回はこの界面活性剤とはどういうものなのかについて簡単にまとめてみました。
「界面」とは異なる性質を持つ水と油の様な物質間の境界を意味します。界面活性剤は1つの分子の中に水と混ざり合う親水基と油と混ざり合う親油基を併せ持つユニークな分子構造を持っています。この特殊な構造が界面に作用して本来は弾き合ってしまう水と油を混ざるようにしてくれるのです。
界面活性剤は「表面張力の低下」「浸透」「乳化」「分散」「起泡」「再付着防止」といった様々な効果の相互作用によって汚れを落とす優れた仕組みを持っています。
それでは、それぞれがどのような作用なのかを見ていきましょう。
表面張力の低下
水が引き合って表面積を出来るだけ小さくしようとする力を表面張力と言います。この作用によって水は最も表面積が小さい姿の球体になろうとします。コップの水を口までいっぱいに入れてもなかなかこぼれない現象はこの表面張力によるものです。
界面活性剤を入れることによってこの表面張力が低下します。表面張力が低下すると、それまで水を弾いてしまっていたものも水と馴染みやすくなります。
浸透
界面活性剤の作用で表面張力が低下すると、水を弾いてしまうウールや化学繊維にも水が馴染んで繊維に染み込みやすくなります。これを「浸透作用」と言います。
乳化
界面活性剤を水と油の中に入れると界面活性剤の親油基が油を取り囲んで吸着し、外側に親水基を向けた状態になります。すると、水と油が同じ場所に存在できるようになり、水と油が混ざることができるようになります。これを「乳化作用」と言います。
分散
水に溶けない物質を水に入れると分離して水に浮かんでしまいます。ここに界面活性剤を加えるとその物質は界面活性剤に取り囲まれて水中に分散します。これを「分散作用」と言います。
起泡
界面活性剤には泡立ちを良くする効果があります。泡によって汚れをキャッチし、浮き上がらせる効果があります。
再付着防止
界面活性剤の持つ効果に一度落ちた汚れが再付着しないようにするものがあります。これはここまで見てきた乳化や分散などの様々な作用の相互効果によるものです。
まとめ
界面活性剤が水に加わると、浸透作用によって汚れに水や洗剤が浸透します。次に乳化作用によって汚れを吸着し、分散作用や泡によって汚れを引きはがします。引きはがされた汚れは再付着防止効果で元に戻らないという訳です。
以上、界面活性剤の働きについて見てきました。界面活性剤が汚れを落とす大まかな仕組みをご理解頂けましたでしょうか。
洗剤選びやお掃除に少しでもお役立て頂けますと幸いです。