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撥水、親水、疎水の違い

執筆者の写真: sk-service-incsk-service-inc

更新日:2月26日


今回はコーティングの撥水、親水、疎水の違いについて、それぞれの特徴などを含めてお話したいと思います。



性質による分類

物質の分類では水と混ざり合うことのできる性質を持つ物を「親水性」の物質とするのに対し、油のように水と混ざり合わない性質をもつ物を「疎水性」の物質と呼びます。


コーティングにおける分類はそれとは異なり、水の弾き方の違いで、水をコロコロと弾くものを「撥水」、水が大きな塊になって流れるものを「親水」、その中間の物を「疎水」と呼ぶのが特徴です。


防汚コーティングでは一般的に接触角60度未満を親水、60度~90度程度を疎水、90度以上を撥水として分類しますが、その定義は明確ではなくサービスの提供元やコーティング剤の製造メーカーによって異なる場合がありますので、接触角については目安と考えてください。


接触角90度程度だと水との境界に汚れ残りが多くなるとされ、コーティングによる防汚はそこから接触角を小さくしたり大きくしたりすることで汚れ残りを防ごうという考え方になります。


接触角によるコーティングの分類
撥水コーティングとは
撥水

撥水コーティングは滑らかな艶と強い水弾きが特徴です。水がかかるとコロコロと転がるようにすぐに弾くため、表面の汚れを素早く集めて流す効果があります。水の流れるスピードが速く、水分の残留が少ないので拭き取りも簡単にすみます。また、美しい光沢と水弾きで施工の効果を感じやすいのも特徴となります。このことからカーコーティングや衛生陶器類のコーティングで最も人気のあるのが撥水コーティングとなっています。


衛生陶器類のコーティングでは対象の設置場所が室内になることから、カーコーティングではデメリットとなる日差しのレンズ効果によるウォータースポット発生の心配はほとんどありません。


欠点として弾いた水の拭き残しがあると水に含まれるミネラル等の不純物が固まったイオンデポジットと呼ばれる小さな円形の白い跡が残る場合がありますが、毎日のおそうじを欠かさなければその際に簡単に除去することが出来ます。


表面に汚れが残っていると撥水効果は落ちていきます。



親水コーティングとは
親水

親水コーティングは水が大きな塊になってゆっくりと流れるのが特徴です。対象物と水の間に汚れを取り込みながら洗い流すことで汚れ残りを防ぎます。水はけがよくなるのでイオンデポジットのような水あかが出来にくく、汚れも大きな水の塊と一緒に自然に流れていく効果があります。


欠点は施工しても光沢が出にくく、水弾きの面でも見た目での効果はほとんど感じられないことです。カーコーティングの世界でもそれが嫌気されて撥水コーティングと比べてあまり人気がありません。


表面に油などの汚れが付いた状態になると親水状態を維持できなくなり、撥水よりも水滴が残りやすくなる場合があります。



疎水コーティングとは
疎水

疎水コーティングもカーコーティングでは選択肢の1つとなりますが、衛生陶器のコーティングでは一般的ではありませんので選択肢には入らないかと思います。ここでは参考程度にご紹介しておきます。


疎水コーティングは水弾きが撥水よりも弱く、親水よりも強いのが特徴です。


撥水と親水の両方のメリットを兼ね備え、親水と同じく汚れを洗い流す効果と撥水の様に集めて流す効果があります。


撥水よりも水がまとまって流れるために水滴が残りにくく、イオンデポジットなどの心配も少なくなります。


欠点は施工の効果が見た目で感じにくいことです。また、親水とは異なり水滴による水あかが残る可能性があるのがデメリットです。



結局どれを選ぶべきか?

撥水も親水もどちらも汚れを防ぐ技術です。弾いた水に汚れを集めて落とすのか、広がった水で汚れを取り込んで洗い流すのかという違いだけで、その目的は共通です。


どちらがいいとは一概には言えず、好みもあります。


どちらも水を流すだけで汚れが全て落ちるかと言ったらそうではありません。おそうじをさぼれば残った汚れや水あかでその効果が無くなり、汚れやすい状態になるのは変わりません。


どちらの場合でも効果を長持ちさせるにはマメにお手入れをすることが必要になります。




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